一期一会地球旅132「世界一美しい空を見に行こう ラップランドの旅(その6)」

世界一美しい空を見に行こう 132

ラップランドの旅 6 ハリニヴァへ(1)

1翌朝、鼻がツーンと痛くなるような冷気の中、二台の小型バスに分乗していよいよムオニオ(ハリニヴァ・リゾート)へ向けて出発準備を整えた。明るい陽射しの中、ホテル周辺も白一色、そしてどこも凍り付き、路面はカチカチであった。途中までは、昨日訪れたサンタランドの方角であったが、ケミ川の河原はこれも広い雪原、朝の陽がまぶしく照り映えていた。ハイウェイの両側には葉を落とした白樺が続いていた。ところどころアイスバーン状態であったがドライバーは慣れたもの、見事にハンドルをさばいている。かなりの時間走ってもほとんど集落らしきものはなく、ときどき農家らしい建物があるのみ。道路から数十メートル離れて立っており、道路際には郵便箱が立っていた。2軒先までは郵便物は運んでもらえないので、住民はそこまで取りに行かなければならなるまい。それがこのあたりのやり方であるのだろう。これは、カナダやアメリカでも市街地から遠く離れた地域ではよく見かける風景である。マンションの上層階まで個別に新聞などを運んでくれる日本流のサービスは何とありがたいことであろう。それが当たり前、と思っている日本流のやり方はおそらく世界的にみれば通用しないかもしれない。冬の間は白一色のこの世界も夏は緑の牧場や畑がどこまでも続いているに違いない。北海道の根釧原野などで見た風景に似ているような気もする。

こうして2時間近く走ったが、思い出したように集落があり、ポツリポツリと農家らしい建物があり、その周囲や奥には針葉樹林の森が広がっていた。白い大地の上には眩しいほどの青い空、そして風が野面を吹きわたっているようであった。外はかなりの寒さであろう。やがてキッティラというこのあたりでは少し大きめの町であった。ハイウェイ沿いに建物が続き、工場らしい建物もあった。そして次第に市街地が広がり始めていた。案内書をみると人口6,400人、町域は、なんと8,000㎢余とのこと。埼玉県と東京都全体を加えた面積よりも広い!この町には空港もあり、ヘルシンキとの空路もあり、B-POPグループもここから飛び立つことになっている。お昼少し前であったが、昼食をいただいた。3ブッフェ式の素朴なランチであったが、何といってもスープで体を温めることができたのが嬉しかった。バスの車内もレストランの室内も暖房が利いており、寒さは覚えないが、わずかばかり屋外に出るだけでも寒気が強かった。昼食後、小休止、いつしか空は鉛色に変わっており間もなく雪模様になるのではないかと気になった。レストラン前の広い庭で暫し、そり遊びに興じるメンバーの姿もあった。その後、少し走るとレヴィという新興のリゾート地に着いた。広大なラップランド南部地域は低平な大地が広がっているが、ここに は小高い丘がある。近年スキーなどのウィンターリゾート地として開発されてにぎわってきているとのこと。大小の宿泊や観光施設、スキーのゲレンデも数本作られて、この日もスキーやスケートボード、そり遊びなどに興じる人たちの姿があった。キッティラ空港からも車で20分ほどであり、ヘルシンキからこの地へ飛んでくる人たちも多いらしい。

私たちのグループも当初は、ここレヴィで3泊くらい過ごしてオーロラ探勝というプランを作った。しかし、実際には夜間も宿泊施設やスキーゲレンデの明りなどでオーロラを見物するにはあまり適当ではなさそうだということが分かった。かなり遠くまで丘を下りて平地を森林の広がっている地域まで走らなければならないだろう、との現地情報得た。そこで、これを変更して、ここからさらに小一時間北上したハリニヴァ・リゾートにしたのであった。レヴィの丘の上に立つ大型のホテルの最上位階にあるカフェで小休止した。4どこまでも広がる白い大地とその中に点在する工場や集落、ポツリポツリと点在する家々などが黒く浮き上がっていた。その中にハイウェイや地方道が伸び、走り抜けている車が小さく遠望された。こうしてみるとバスの車窓からは想像もできないほど大規模な風景であった。人々はこの広大な土地で様々な生産活動を行い、見事に大地と向かい合ってしっかり生きているのであろう。1年の半分以上を厳寒の気候の中で過ごしているであろうが、世界でも有数の国民平均所得を上げ、福祉国家を築き上げてきたこの国の人々に改めて敬意を表したい気分であった。

再び、バスに揺られてムオニオへ向かった。少し丘陵地に差し掛かったらしく、道路の両側には森が広がり、木々に積もった雪は風に吹かれて飛び散っていた。間もなくハリニヴァ・リゾートに着いた。5森に囲まれた広い敷地には、2階建てと平屋の宿泊施設やフロント、レストランなどの中央棟、リゾート関連の様々な建物や犬ぞりのコース、たくさんの様々なタイプの車両などが置かれていた。敷地の一方は木立を抜けると緩やかに傾斜して広い雪原が続いていた。北部フィンランドの大河であるムオニオ川の河原であり、今はまだ川の本流もほとんどが凍結しており、雪の下に流れがあるらしい。どこまでも広い白い原っぱが広がっていた。

ハリニヴァ・リゾートにチェックイン、この日から3泊する。メンバーには、ファミリータイプの比較的大きな部屋が準備されていた。6 室内に簡単なキッチンもあり、上下合わせて6人は楽々宿泊できる。トイレとシャワーがついているが、ここでも浴槽は付いていない。3泊、風呂なしではメンバーに少々寂しいので、これはリゾート内に設置されている貸切サウナを利用することにした。多くの場合、サウナで汗をかいた後は、湖や水風呂に飛び込むというスタイルが多いが、ここハリニヴァでは、屋内サウナのほか、ジャクジー風呂が屋外に設けられており、それも広いムオニオ川を眺める悠々たる風景。このころは昼間でも氷点下5~6℃、夜はオーロラを見ることもあるらしいが、寒さは想像するだけでもゾッとする! でも、評判は相当なものらしい。とにかく興味津々であった。チェックインして、各部屋に落ちつき、しばらく休憩して、再びロビーに集合、リゾート内の各施設や建物、アトラクション、そしてグループとして滞在中のプログラムや楽しい滞在のためのヒントや注意事項を説明した。 ラップランドを大いに楽しんでいただきたい!

(以下、次号とさせていただきます。

(資料、上から順に。 写真は、一部をのぞき、2013年3月撮影)

ミニバス2台でハリニヴァへ向かった。(1台は、車いす対応)

ラップランドのハイウェイ

キッティラでは昼食後、小休止。こんな休憩ならなお楽しい!

レヴィの丘から見た風景

ハリニヴァ・ホテル(正面入り口) (資料借用)

ハリニヴァのファミリールーム(資料借用)

(2016/11/1)

小野  鎭