一期一会地球旅136「地球の歴史を見に行こう 大峡谷への旅 その1」

一期一会 地球旅 136

地球の歴史を見に行こう 大峡谷への旅 その1

氷点下の世界から戻り、現地での様々な経験はいつまでも熱い思い出となって残っている。

2013年の暮れ、特定非営利活動法人ビーポップ様と障害者の社会参加をすすめる会様恒例のDream Decemberではフィンランドへの旅行の楽しい思い出の動画も紹介され、参加された方々は懐かしさもひとしおのようであった。年が明けて、しばらくして、次はアメリカの大自然を見に行くプランを考えて欲しいとのご希望が寄せられた。ヨセミテ国立公園などもあるが、ここは、世界で一番大きく、深い谷を見に行こう、ということで話がまとまった。

これまで、世界で一番美しい海、そして、山、さらには空を見に行こうという旅をご案内してきたが、今度は見上げるというよりは、巨大な谷をのぞき込む、あるいは大平原のはるか彼方の地平線に至っている大きな風景を見に行く、そんな旅を考えて欲しい、ということになった。アリゾナ州の北部にあるグランド・キャニオン、その名もずばり大峡谷、谷の幅は20~30㎞余、深さは1,600mある。かつての海底が隆起して今は広大な高原となり、それをロッキー山脈からはるかに流れてきたコロラド川の流れ、さらに風雨や冬の氷、樹木の根などなど様々な自然の力が加わり、何百万年という気の遠くなるような時間をかけて大地を削って巨大な谷ができている。悠久の時は、いつしか長さ400㎞以上という峡谷をつくり、自然の造形美がどこまでも続いている。遥かに見おろす谷の底の両岸には20~25億年も前にできた岩石が露出して今もコロラド川の激流が岩を噛み、土砂を下流へ運び続けているとのこと。地球が誕生して46億年になるそうで、その半分近く、あるいはそれ以上の時間がここに眠っていることになる。考えただけでも気の遠くなるような時の流れである。

1そこで、今回は「世界一の峡谷を見に行こう」というツアーの名前ではなく、「地球の歴史を見に行こう」と名付けられた。個人的には、ここを初めて訪れたのは1972年の秋、文部省の教職員海外派遣団でアリゾナ州ツーサンに滞在中、1泊2日のオプショナルツアーを設定して、はるかにバスで往復した時であった。まだ駆け出しに毛の生えたころであり、アメリカへの旅行も数回しか経験がなく、それでいて、急遽バスを仕立て、宿を取り、ガイドも無しに運転手から情報を得ながら必死で案内するという図々しさであった。それから20数回は訪れているだろう。ある時はラスベガスから小型機での日帰りツアー、また、ある時は、フェニックスからグランド・キャニオン、さらにラセベガスへのバスツアー、途中のセドナへ寄ったり、大回りして、ユタ州へ抜けたり、大西部を様々な形で走り抜けたり、空から眺めたりしてきた。全米各地やカナダなど各地で病院や障がい者、高齢者施設などを見学したり、学校訪問、都市計画など様々な視察団を案内し、多くは通訳もやってきた。そして、立ち寄る都市では市内見学も当然行われる。都市間移動などは貸切バスを使うことが多かったのでいずれもRand McNallyの地図やMobil Guideなどの資料を読み漁り、地図を何枚も広げてはドライバーに聞きかじりながら各地を案内してきた。アリゾナの州都であるフェニックスからグランド・キャニオン、そしてフーヴァーダムを横目に見ながらラスベガスへ、というコースは幾度も経験している。

2B-POPの湯澤代表とは、2000年にご一緒してこのコースを通っている。15年振りに訪れることでかつての経験を活かして、より楽しいプランを考えたいと気持ちも新たに準備に力を入れた。全体のコースは、東京(成田または羽田)を発って西海岸のいずれかで乗り換えてフェニックス、その後は前述のコースを走り、ラスベガスからロサンジェルスへ至って帰国する。 グランド・キャニオンでは3泊滞在して、中の二日間を楽しんでいただくことを主目的にすることにした。2015年の秋、夏の繁忙期を過ぎた9月の中下旬を予定した。準備を進めるにあたっては、毎度のことであるが、それまでの経験を活かすことはもちろんであるが、初心に帰って勉強しなければならないことがたくさんあった。この十数年間、途中で一度だけロサンジェルスは訪れているが多くは15年振りである。その間、航空会社はもちろん、アメリカのホテル事情、出入国手続き、都市事情など様々なところは大きく変わっている。お馴染みのコースであっても、油断大敵、慎重な準備が必要である。

3今回も、車いすの方が数名は参加されるであろうと予想してアクセシブルルームの確保、リフト付きバスの手配も予定に織り込んでみた。しかし、実際には、車いす使用の方は女性1名とお母様が同行、そして、お部屋はツインルームでバス付にして欲しいとのこと。準備してあったクイーンサイズベッドにシャワートイレ付きの部屋は小職が使うことにした。アリゾナからネヴァダまで州を越えての長距離ドライブはリフト付きミニバスでは不都合であり、快適さと安定感、トイレ付などの観点からリフト無しの大型Highway Coachを使うことになった。乗降車時には、スタッフの皆さんが介助することを約束してくださった。Interstateと呼ばれる州際高速道路、カイバブ高原や北西アリゾナのハイウェイは時に数十キロ直線状態、窓の外には単調であるがサボテンや灌木が続く風景、あるいは岩石砂漠がどこまでも続く。そんなときはやはり大型バスの快適さがまさにご機嫌である。

4 こうして、準備は着々と進み、2015年9月17日から25日までの9日間、いよいよ出発が近づいてきた。そこで、8月のお盆過ぎ、成田空港の第1ターミナルを見学に行った。成田へはほとんど1年近く足が遠のいていた。かつてはグループの全員がそろってカウンターでスーツケースを預け、手続きを終えるということが多かったが、今は、お客様個々にE-Ticketと呼ばれる予約確認書と旅券を端末機の画面に提示することでチェックインを行うことが一般的、そして、安全検査は一層厳しくなっている。一方、米国入国許可はESTAと呼ばれる事前申請をネット上でおこなうことになっている。今回はB-POP事務局の伊藤さんが団員ほとんどの作業を済ませてくださった。時代と共に空港チェックインも流れが大きく変わってきている。最新情報の収集と備えをより強固に進めて9月17日、14名のお客様が成田空港に予定通り集合された。そして勇躍、先ずはロサンジェルスを目指して出発した。

(資料 上から順に)

旅行説明会での資料(この後、ツアーの名前は、地球の歴史を見に行こう、と改称された。)

アリゾナ州地図と訪問地 ★印

グランド・キャニオン国立公園のアクセシビリティ(バリアフリー情報)

◎旅行にあたっては、もっと詳しく説明し、より有用な情報を届けた。

成田空港 第1ターミナル チェックイン風景(2015年8月 事前見学時)

(2016/11/29)

小 野  鎭