2017.07.05 小野 鎭
一期一会 地球旅165 地球の歴史を見に行こう リンデンハウス 秋の東北へ(7)

一期一会 地球旅 165

リンデンハウス 秋の東北へ(7) 松島町にて

ホテルに入った後、皆さんが部屋に落ち着かれて夕食まで休憩や入浴など、グループごとに自由にお過ごしいただくことになっていた。その間、こちらは夕食について細かく確認しておかなければならない。予め、ホテルの予約時に食事について注文はしてあるが現地での再確認は必須。今夕はこのホテルご自慢のセレクト・ブッフェが準備されることになっている。加えて、中島様から、仙台名物の牛タンをぜひ加えてほしいと特注を受けていた。レストランは、地下にあり、大きなブッフェテーブルが準備中であった。この地方の特産である海の幸、山の幸、そして、天ぷら、刺身、中華、ステーキ、麺類、など様々な料理が並べられるとのこと。どれを選ぶか、メンバーが目を丸くしてどれをいただこうかと悩むであろう姿が想像され、内心、誇らしい気もした。個人客は好みの料理をお盆に持って各自テーブルで召し上がることになっているが、私たちのグループは別室をいただけることになっていた。部屋は、その名も「松島」、和室ではなくテーブル席なのでブッフェテーブルとの間の行ったり来たりはむしろ楽であろう。仙台駅での慌ただしい昼食であったのできっと皆さんは空腹を抱えて集合されるに違いない。思い切り召し上がっていただきたい、そう願ってレストラン側との打ち合わせが終わった。食事は、6時半からであり、皆さんには10分ほど前にロビーにお出でいただくことになっている。 夕食までの時間をぬって、30分ほど、そとへ出てみた。昼間、観光客でにぎわっている中心街とは反対側、ホテルの裏側の方に松島町の市街地が広がっているそうで、そちらをのぞいて見たかった。タクシーで、国道45号線を川沿いに10分くらい走ってもらった。道路の左側の小高いところを仙石線と東北本線も通っていた。市街地といっても高層ビルや大きな建物はあまりなく、高等学校や大型のホームセンター、まばらに商店があり、民家が立ち並んでいた。中心街では、建て直されたり、修復して間もない建物などもあったが震災から5年半過ぎたところで大きく復興されている様子が見えたような気がする。
一帯の真ん中を流れている高城川はそれほど大きな川ではなく、河口から数㎞あるが潮の干満もあるらしく夕方のこの時間は引き潮なのだろうか、川底らしい風景も見えた。タクシーの運転手に気になっていたことを聞いてみた。彼に言わせると、津波は勿論この川を上って来て、一帯はかなり広範囲に被害が広がったそうで、大きな恐怖を味わったとのことであった。それでも、外海に近いところのような壊滅的な被害ではなかったそうで、この一帯、そして、自分たちは不幸中の幸いであったと思うとのことであった。テレビや新聞では宮城県では、名取市や仙台市の若林区、石巻などこの地域の大変な様子が報じられていたが、その地域に比べると、松島町一帯の被害は少なかったということらしい。地形やその位置によって大震災の被害の様子はさまざまであったらしいことを知った。30分ほど一帯を回り、これからもさらに復興に力が入れられることを願いつつ、ホテルへ戻った。
メンバー各位は、入浴してひと休みされ、さっぱりした顔でお集まりくださった。明日の予定については、夕食後、グループ全員でのミーティングが行われるとのことで、その折にご案内することにして、先ずは食事を楽しんでいただくことにした。予想以上の食欲で、見ていても気持ちがいいほど。
旅の楽しみは、予め掲げられている旅の目的を達成していただくこと、安心安全であることは論を待たないが、旅行先各地の風物をご覧いただき、その土地ごとの味を楽しんでいただくことはもう一つの大きな要点。その意味でもこの日の夕食はどなたも満足しておられる様子を拝見すると先ずは嬉しいことであった。
食事が終わって間もなく、男性グループの部屋に全員が揃われてミーティングが行われた。中島寮長の司会で会が進められ、団員はそれぞれ改めて自己紹介、そして、今日の旅の感想をひとことずつしゃべるようにと運ばれた。松島の海のことをしゃべってくださった方もあれば、夕食がおいしかったと喜んでくださった方、とつとつとして、朝、出発してからこの時間になるまでの流れを述べてくださった人もあった。驚くほどの記憶力であった。 明日は、先ず、瑞巌寺にお参りした後、五大堂を回って、いよいよ石巻、そして、南三陸へのバス旅、たくさんの被災地を巡ることになっている。犠牲となった方への慰霊と今も行方の分からない方への想い、そして、復興の様子について貸切バスで案内してもらうことになっている。
みんなで真剣に訪ねましょうという中島様の挨拶に皆さんがしんみり聴き入っておられる様子が印象的であった。 30分ほどで会合はお開き、明日はこの度のハイライトともいうべき行程、それに備えて今夜やゆっくり休みましょう、ということでそれぞれの部屋へ引き上げられた。夜10時頃であっただろうか。かく申す私も一日のまとめを綴るのもほとんどままならず、睡魔に襲われダウンしてしまった。 (以下、次号とさせていただきます。) (資料、上から順に。撮影は断りの無いもの以外は、2016年10月15~16) 高城川をさかのぼる津波 海嘯というべきか?(資料借用) セレクト・ブッフェは料理がいっぱい、目移りして大変! 夕食は言うことなし、皆様ご満悦でした。 食後のミーティング風景(その1) 同上(その2) (2017/07/05) 小 野  鎭