2017.09.21 小野 鎭
一期一会 地球旅 176リンデンハウス 平和を願って広島へ(4)

一期一会 地球旅 176

リンデンハウス 平和を願って広島へ(4)

ワンコたちとふれあいのひと時を過ごし、緑濃い神石高原を下って再び南下、福山市の北郊へ戻って山陽自動車道に入り、西へ向かった。途中のサービスエリアで小休止して広島まで小一時間。車窓にはずっと山並みが続き、高架になっている道路の下には稲田の中に集落が点在し、その間を山陽本線であろうか鉄路が見え隠れしていた。地図を見ると吉備高原の南麓一帯らしい。途中、広島空港への案内もあった。昔は、市の中心部からすぐ近くにあり、そこに降りたこともあった。今の新しい空港にも一度、降りたことを覚えている。いずれもかなり昔のことであり、現業当時のことであった。その頃も広島市内までは連絡バスで一時間近くかかったような気がする。そんなことを思い出しながら、やがて山陽自動車道を下りて広島市の東北郊へ出た。今や中国地方最大の都市であり、市街地の規模は想像以上に広大であった。 幾度も書いてきたように、今回は市内に宿を確保できず、広島市に隣接した安芸郡海田町、JR呉線矢野駅近くにあるビジネスホテルを辛うじて予約することができた。折しも週末とあってホテルでは夕食が供されない。加えて、翌日はこちらの都合で早朝出発であり、朝食を準備してもらうこともできない。つまり、文字通りの素泊まりであった。ビジネスホテルとはいっても、部屋は洋室と和室の両方があった。メンバーにはツインルームを基礎として一部屋だけトリプルとして部屋を確保できたのはまさにラッキーであったらしい。ホテルのフロントマン氏談では、昨今、広島市内の宿泊機関はホテルも旅館も夏から秋にかけて満室状態となっていることが多く、国内客はもちろん、インバウンド(訪日)客を含めて随分混んでいるらしい。このホテルではなじみのお客様であってもご希望に応じられないことも多くなってきているとか。国を挙げて観光立国が叫ばれ、訪日客の大幅増加と本来の国内旅行客の掘り起こしに一層力が入れられているが宿泊施設の整備はその中でも大きな課題であるに違いない。
海田町は、広島市安芸区に接しており市街地はそのまま続いているので郊外といった趣はほとんど感じない。広島高速2号線を下りて国道31号線を少し南下して呉線の踏切を渡るとすぐにホテルがあった。この日、夕方4時半ごろに到着。ドライバーのU氏には明日はガイド同道で5時出発を予定していること再確認してバスを降りた。ホテルに入るとかねてより打ち合わせてあった通りに部屋割りを行い、今夜の宿泊と夕食のことなどを案内して各部屋にお入りいただいた。早朝出発に続いて東京から新幹線で福山、ピースワンコジャパン、そしてホテル到着に至るまで猛暑の中での動きであった。皆様には早くお部屋に落ちついてシャワーを浴びるなど少しでも身体を休めてほしい、というのがこの時の気持ちであった。夕方のニュースでは、この日も異常高温注意が報じられていた。多分、夕方のこの時間でも36~37℃くらいはあったと思う。
皆さんが落ち着かれたことを確認してから、フロントマンとは明日の早朝出発とそれに先立って皆さんが持参されている水筒に冷茶を補充させていただくことの確認も大切であった。それを済ませて夕食の確認に出かけた。先ほど通ってきた31号線を少し戻ったところ、徒歩7~8分であろうか、店は広島風お好み焼き「徳川」なるチェーン店の海田店。これもカープタクシーの担当者から紹介してもらい、さらにホームページで調べて電話をかけて詳細を確認したうえで頼んであった。店は、1~2階とあったが幸い1階の個室が確保されていた。店長助手らしい若いウェイターと打ち合わせた。
セットメニューであるが肉や具材がもっと欲しいときは追加注文すること、飲み物は別料金であるがまとめて別払いすることなどが要点。ノン・アルコールビールやウーロン茶などをある程度注文しておいた。猛暑の中を過ごしてこられた皆さんがテーブルに着かれていつまでも飲物が来ないと気の毒というよりは時には不穏な雰囲気になることさえある。お好み焼きは広島風と関西風があるらしいが、ここはもちろん前者。4~5人ごとのテーブルが三卓、具材がそれぞれに配られてテーブルごとに自分たちで焼き味付けをすることになっている。とはいっても、筆者自身要領を得ていないので本番では店員に来てもらって各テーブルで基本的なところをやって見せて欲しいとお願いした。
国道31号線の向かい側には陸上自衛隊海田市駐屯地がある。かつて広島には、江田島に海軍兵学校、市内には軍需工場、そして呉には鎮守府が置かれ、戦艦大和などが造られている。昔から軍隊とはゆかりの深いところ、それらがあの悲劇につながったのであろうか。戦後72年、自衛隊は平和の砦であってほしい。後日譚であるが北朝鮮からのミサイル飛来に備えて9月になってからは自衛隊のPAC3が配置されていることは耳に新しい。  
夕食の準備も整い、18時20分にロビー集合、町は少しずつ日暮れが近づいていたが依然としてかなりの暑さ、皆さんにはシャワーを浴びたりしてひと休みしていただいたがレストランまで歩いていただかざるを得なかった。明朝は5時出発であり、4時にはモーニングコールを差し上げることを約束してテーブルにお着きいただいた。この日は早朝から盛りだくさんのスケジュール、それも猛暑の中のハードな長旅であった。それだけに締めくくりはにぎやかな夕食で楽しいひとときであった。 (以下、次号とさせていただきます) (資料 上から順に、ことわりの無いもの以外、写真はいずれも2017年8月5日撮影) ビジネスホテルみやぢ お好み焼き・鉄板焼き 徳川 皆さん、お好み焼きの手際はなかなかのものでした! 陸上自衛隊海田市駐屯地正面(資料借用) 同上、配置されたPAC3(地対空誘導弾パトリオット)(資料借用) このお好み焼きもこの後、見事に平らげられました。 (2017/9/19) 小 野  鎭