2018.04.10 小野 鎭
一期一会 地球旅 195 台湾への旅 (9) まだまだ元気に臺灣旅行(6)
MRTの駅に入るには、階段を3~4段上がり、長い階段かエスカレーターで地下の改札階まで降りて行く。入り口が高くしてあるのは防水上若しくは防衛上の何らかの理由があるのかもしれない。エレベーターは通りの反対側に一か所設置されていると案内があったがそこまで確かめに行く時間は無かったので見ていない。改札階には券売機が数台あり、英語や日本語を含めた説明も付されていたが、よくわからないところもあったので案内と出札を兼ねた窓口に行って「MRT1日乗車券」を買った。150元(
約450~460円)で改札を通ると自動的に有効になり、24時間後のその時間まで、営業時間内であれば回数の制限なく乗車が可能であり、かなりお得感がある。ただし、こちらは地下鉄のみ有効。他に、市内バスも含めて使える台北パス1日券180元(540~550円)があり、一人歩きするときはさらに使い勝手がよく、お得かもしれない。 双連駅から2つ南下すると台北車站(駅)がある。乗降ホームからエスカレーターで改札口階へ上がると台湾鉄道の台北駅に続く通路が数本ある。すでに夜8時半を過ぎていたがこの駅では東西に走っているMRT板南線とも交差しており、台北の中央駅ともいうべき駅とつながっているだけにさすがに構内は混雑していた。案内板は繁字体(台湾語)と英語で表現されているのでわかりやすい。通路図と案内表示はかなり複雑であるが慎重に行き先を確認して中央ホールを目指す。見知らぬ土地で行き先表示を頼りに通路を歩
いていくと土地勘が無いだけに遠く感じがちであるが迷うことなく駅ホールへ出ることができた。6階部分くらいまでであろうか広々としたアトリウムになっており壮大さを覚える。この時間は混雑もなく、ホールの一隅ではクリスマス商戦へ向けての飾りつけであろうかチョコレートに似せたブロックで魔法のお城のような建物が作られていた。レストラン、ファストフード、土産物店、ニューススタンド、ケーキ屋その隣には日本の和菓子店の老舗もあった。ホール内をざっと一回りして、外へ出てみた。駅前は大きな広場になっており、ネオンサインが点滅していた。夜風は冷たかったが心地よくもあった。   今度は別の階段を下りて地下鉄駅を目指した。通路は違うがある程度の見当がついていたのでそれほど遠いとは感じることもなくすぐに到達することができた。今回の旅行では台北駅から鉄
道で動くということは予定していないのでプラットホーム(台湾では【月台】と呼んでいる)へ出ることもしなかったが在来線のほかに高速鉄道もあるので次に来た時はぜひ乗ってみたい。今回、この稿を書くにあたり、駅構内図をネットで探ってみるととても分かりやすい図があった。次に行くときはぜひ利用したい旅のヒントの一つである。 全体の台北駅構内図はかなり複雑ではあるが、新宿駅や渋谷駅に比べるとずっと簡単。最近、以前にも増して東京のこれらの駅では外国人旅行者をたくさん見かけるが一様にスマホを見
ながらあちこちに掲示されている案内図を見上げている。彼らはこの想像を絶するように複雑な駅構内と路線網 に、多分、唖然としていることだろう。困っているらしい旅行者を見かけたらJRのアナウンスに誘われるまでもなく障がいのある人や外国人に限らず、今まで以上に積極的に手伝ってあげたいもの。   さて、こうして先ずは台北車站を終えて、再びMRT淡水線で今度は来た時とは逆に北上する。台湾観光の夜の目玉の一つ、夜市を見ておきたい。はるか昔も夜市には行ったことがあるが今ほど話題にはなっていなかった。ごく素朴な風景であり、旅行者がわんさと訪れるほど名所でもなく今とはおよそ比べるほどもなかったであろう。記憶はおぼろげであり、それ自体、当時とは様変わりしているであろうし、昔の経験は何の役にも立たない。昨今の観光情報などによると、士林の夜市が規模も大きくお勧めとある。メンバーの中でも夜市はぜひのぞいて見たいし、士林がいいらしい、などとちらほ
ら聞こえていたことから察するに期待がかなり大きいことがうかがえる。ガイドブックを見ると、地下鉄は士林駅より一つ手前の剣潭(ジアンタン)駅からの方が近く便利がいいと紹介されている。MRTは圓山駅を過ぎると地上に出てしかも高架になっており、剣潭もその上にある。ホームの突き当りの階段を降りて改札を出ると目の前が大きな通りになっている。MRTの乗
客もかなりの数がこの駅で下車し、前方の昼を欺くような明るい通りへ向かっていった。   駅前では大きな通りがY字型になっており、タクシーが数台並んで客待ちしていた。目の前の明るくにぎやかな通りがその夜市らしい。商店街の入り口の大通りでは1~2分待つとタクシーが走って来る。あす、メンバーを案内しても帰り道が心配であるのでタクシーがどのくらいの頻度で来るのか、知っておくことが必要であった。9時半を過ぎているのに依然として夜市はにぎやか、日用品、雑貨、化粧品、衣類、飲食店、ファストフード店などが軒を連ねている。ちょうど、東京・上野御徒町(おかちまち)のアメ横通りの真ん中に屋台を並べたような感じ、と言えばわかっていただけるだろうか。台湾名物のファストフードの屋台が並んでおり、店員が慣れた手つきで次々に貝を焼いたり、焼き鳥らしいものを売っていたり、フレッシュジュースを絞ったりしては道行く人たちに呼びかけていた。自分は夕食を終えてすでに1時間半くらいは過ぎていたが正直なところ「生も
の」は怖いので遠慮した。明日、来た時も、つまんでみるのであれば、必ず火を通したものにしていただきたいと案内するつもりであった。   台北市民に人気があり、観光客も一度は立ち寄るといわれているこの夜市は、なるほど規模と言い、バラエティと言いなかなかのものであった。中心部をのぞいたのち、横丁から半地下の商店街に下りてみた。大小の海鮮料理店が集まっており、賑やかであった。話のタネとしても明日、メンバーに案内し、希望者があればぜひ案内しようと頭に入れ、30分程度見物した後、また、MRTで帰館した。第一日目、さすがにこの日は、疲労困憊、ホテルに戻るとそのままダウン。この日の万歩計は25,000歩を越えていた。 (以下、次号とさせていただきます)
  (資料 上から順に、2017年11月8日撮影) 台北MRTガイド(日本文) この資料は地下鉄の大きな駅に置いてありわかりやすい。 淡水線台北車站(台北駅)の改札口 台湾鉄道台北車站(台北駅)中央ホール 同上、チョコレート(色)のお城(?)建設中 同上、正面入り口 同上、通路等立体図 士林夜市入口、この日はタクシーは次々にやってきた。 夜市風景   (2018/4/10) 小 野  鎭