一期一会 地球旅 232 英国の伝統・文化と田園を巡る旅④

一期一会・地球旅(232)
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ④

    ところで、Doctor Tourとしてエディンバラなどのスコットランドに見る保健衛生サービスは基本的には、NHS Scotland(National Health Service=英国国民保健事業スコットランド)の仕組みが取り入れられており、エディンバラ一帯はLothian Health District(ロシアン保健衛生管区)という保健衛生サービスが設けられていた。英国では、通常は、GP(General Practitioner=登録済かかりつけ医)に先ず診てもらい、その上で専門医(Specialist)の診断、その上で地域の医療機関にかかるというのが一般的な仕組みと聞いていた。英国の国民保健事業(NHS)は、国民の税金で賄われており、通常、医療は無料で診てもらえるが手術を受けるまで長く待たなければならないなどの話はよく聞いていた。一方ではこのような国民保健事業とは別に私的な病院などがあり民間の保険会社と契約して、海外からの富裕な患者なども治療を受けているとの話も聞いていた。そして、そのような医療施設を見学したこともあり、その内容の違いに驚いたことがある。今、日本ではかかりつけ医から地域の中核医療施設にかかり、さらに高度施設に紹介されるというのが一般的であるが保険料は英国と違って、国民が負担し、収入の割合に応じて医療費は一定の負担が必要である。そんなことを考えながら、このところ、コロナ禍が収まらず各医療組織やさまざまなEssential Workersに大変な苦労を強いていることを聞くと本当に感謝の意を改めて表したい。

久しぶりのエディンバラ訪問にあたり、以前の医療事業視察団での経験などをおもいだしながら、中々本論に入らず申し訳ないですが、今しばらく、かつての日本からの視察旅行の進め方について紹介させていただきたい。中には何らかの形でかかわったという方もおありかもしれませんね。ご一緒に振返って見られませんか?

1970~1990年代、自分が世界中を回っていたころ、旅行のことを知ると同時に自分が案内する医療や福祉、教育や建築、農業や協同組合などの資料を探したり、視察先を探すこと、そこへのアプローチの仕方を見つけること、そのためにたくさんの手紙(英文レター)を書いた。まだ、英文タイプの時代でパソコンやワープロはなかったし、今のようにインターネットやE-メールなどの便利なものが有ったらずいぶん楽だっただろうなと思う。昼間は営業に歩き、お客様と会ったり、手配会社とのやり取りなどに追われ、資料探しや英文レターの作成などはもっぱら残業、週末の土日は持ち帰りで仕事をしていたことを思い出す。「働き方改革」などという言葉はなく、ひたすら高度成長経済下、右肩上がりが求められていた。専門分野の視察や研修となると如何にたくさんの視察先やその分野に明るいかということが仕事を受注するためにも強力な武器であった。その頃の名残りとして、当時の視察や研修旅行の報告書、関係先の資料、例えばアメリカやカナダの団体名鑑、医療関係名簿、英国のNHS関係資料などが残っている。アメリカやカナダの電話帖、通称Yellow Pageは重宝する資料であり、帰国するときは、ホテルの各部屋に置いてある電話帖を失敬してきたものである。日本の福祉や医療など厚生関係の団体名簿は営業上の重要なツールで、500近い団体組織が網羅されており、団体名、住所・電話、役員名簿などが列記されていた。これらの団体のうち、海外派遣事業を実施しておられるところにアプローチするとか、視察旅行を企画されるようお勧めしたところも多い。海外視察や研修事業を行うことで先進国の事情を知ることや学ぶことは当時としては多く求められた。堺屋太一氏言うところの「ええとこどり=良いとこ取り」でもあり、海外派遣事業があることは、職員にとっても魅力のあることであった。このような派遣事業を受注することは専門的にやっている旅行会社にとっては営業上からとても重要なことであり、各社は鎬(しのぎ)を削っていた。そのためにも専門分野について知ることが必要であった。エディンバラについて書くにあたり、数十年前の高度経済成長時代に展開されていた旅行業の一端を紹介したが今の時代とあまりにも違うことに驚かれる方も多いことであろう。

エディンバラの地図を見ると今も同じ病院名があり、昔と同じ位置にあって、NHS Lothian における地域の中核医療施設、救急病院として機能しているらしいことが紹介されている。今回は、この病院のある方角には行かず、半日程度、貸切バスで市街地の東の方、ホリルード宮殿やアーサーズシートと呼ばれる小高い丘の上、旧市街の中心部、そしてなんといってもエディンバラ城を見学したことである。昔、幾度もこの町を訪れながら、専門視察や研修が終わると忙しく出発して次の旅行先へ急ぎ、市内見学が含まれる余地がなかった。町の中心部に屹立している丘の上に立っているこの城をまともに見学する機会はほとんどなかったというのが実のところであった。(以下、次号)

 

写真&資料(上から順に)
海外医療事情視察団報告書(1985年)の例
病院での概要説明(米国・シカゴ郊外のコロンバス病院にて 講師の右手前が通訳をしている筆者。 1985年7月)
英国保健福祉事業年鑑(1997/98年版)
現在のWestern General Hospital (Edinburgh Live資料より)
エディンバラ城(Visit Scotland資料より)

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【あ・える倶楽部】の篠塚千弘です。
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